EXHIBITION

植田正治写真美術館

Vol.17-1

追憶のヨーロッパ:植田正治の旅と写真

追憶のヨーロッパ 

平成23611日(土)―911日(日)

 

 植田正治にとっての「旅」はどんな意味をもっていたのでしょうか。山陰の人や風土を見つめ、その独特な光のなかで長年にわたり撮影してきた写真家に、初めての海外旅行(1972年)の地、ヨーロッパは何をもたらしたのでしょう。

 異国の地で夢中にシャッターを切り、帰国後、写真集としてまとめはじめ、印刷の手前までいきながらも納得できず、急遽延期、わざわざ翌年の同じ季節に再びヨーロッパを訪れるまでして仕上げた『植田正治小旅行写真帖 音のない記憶』(日本カメラ社)は、作家の様々な想いを私たちに伝えてくれます。晩秋のヨーロッパに故郷にも似た雰囲気を感じ、「郷愁」「追憶」といったノスタルジックな感情を映像に閉じ込めた作品の数々は植田の写真スタイルに新たな彩りを加えています。撮影を終え、その感情を、ある意味客観的に捉え直しプリントとして冷静に表現する姿は、「写真すること」とは何かをあらためて自身に問いかけているようでもあります。

 今回の展示では、シリーズ〈音のない記憶〉に加え、古い技法を用いて、ソフトフォーカスのようなやわらかな効果をもたせたシリーズ〈西欧紀行〉(ベス単カラー)もあわせて紹介します。「旅」嫌いであった植田が、1970年代に数回にわたり訪れたヨーロッパでの写真を紹介しながら、写真家にとっての「旅」の意味を浮き彫りにします。

【主な出品作品】

シリーズ〈音のない記憶〉より(197273年)

シリーズ〈西欧点描〉より(1977年)

シリーズ〈西欧紀行〉より(1978年)

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