雲のうつくしい日に。-写真家・植田正治の「まなざし」-

雲のうつくしい日に。-写真家・植田正治の「まなざし」-

植田正治写真美術館(Vol.16-1

雲のうつくしい日に。-写真家・植田正治の「まなざし」-

雲のうつくしい日に。-写真家・植田正治の「まなざし」-①雲のうつくしい日に。-写真家・植田正治の「まなざし」-②

平成22612日(土)―912日(日)

 

1999年から2000年にかけて撮影されたシリーズ〈雲のうつくしい日に。〉は、写真家・植田正治の遺作ともいえる作品群です。

当時、雑誌『アサヒカメラ』の編集部に近作として発表するために持ち込まれたこれらの写真からは、美しい空にカメラを向けて過ごした有意義な時間(とき)の流れが、穏やかな空気感とともに伝わってきます。

生まれ育った山陰の地で、身近な風景や何気ない「もの」にカメラを向け、自らの心の赴くままに自由に創作活動を続けた植田にとって、雲という作為的でない存在はなにか特別な意味をもっていたかのようです。自身で自由に演出することのできない被写体である雲は、ある意味、写真家の「まなざし」が試される対象だったのかもしれません。刻々と変わる雲のかたちや表情で、写真としての出来が大きく左右されることもあったでしょう。

最晩年の作品が、この雲をテーマにした連作であったことは単なる偶然かもしれませんが、雲に注目して、その写真の歩みを振り返るとき、写真家の変わらぬ「まなざし」や好奇心を浮き彫りにすることができます。生涯「写真すること」を楽しみながら、常に新鮮な気持ちで対象と向き合い、対話を繰り返してきた植田の写真は、いまも新しい発見と驚きを我々に与え、「写真すること」の喜びを感じさせてくれるのです。

今年は、植田正治が亡くなってから10年になります。今回の展覧会では、亡くなる直前まで撮影していた、シリーズ〈雲のうつくしい日に。〉を中心に、同時期に撮影された作品や雲が印象的に登場する作品の数々を紹介します。

 

【主な出品作品】

 雲 1940

シリーズ〈風景の光景〉より 197080

DAY BY BAY  1999

くもり、のち、はれ。 1999

シリーズ〈雲のうつくしい日に。〉より 19992000

【同時開催】(1FD展示室)

コレクション紹介展示:植田正治物語-写真するボク-

植田正治の生涯にわたる写真活動の軌跡をご紹介いたします。

【展覧会関連書籍のお知らせ】

写真集『雲のうつくしい日に。』(部数限定を当館ミュージアムショップで7月3日(土)から発売します。

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