「ひと、たち。もの、たち。」―植田正治:イメージの普遍性
「ひと、たち。もの、たち。」―植田正治:イメージの普遍性 |
植田正治写真美術館Vol.16-2 「ひと、たち。もの、たち。」―植田正治:イメージの普遍性
平成22年9月18日(土)~11月30日(火) ※11月30日は臨時開館 植田正治の晩年、1995年「ひと、たち。」「もの、たち。」と副題のつけられた2分冊からなる写真集(PARCO出版)が出版されています。植田の初期から晩年にいたる様々な作品を2つのキーワードにしたがってまとめられたユニークな構成になっています。 オブジェのように配された「ひと」、擬人化された「もの」、大胆な構図、ヒューマンなまなざし、植田正治の独特な感性が織りなす多彩なイメージは、さまざまな感情を我々に呼び起こしてくれます。 今回の展覧会は、この写真集をもとに、植田の写真における独特な表現、試みの数々を紹介します。 造形的な画面構成のなかに描かれる「ひと」や「もの」は、時に無機質でありながら、雄弁に観るものに語りかけてきます。旺盛な好奇心と実験的な試み、植田調ともいわれるオリジナルな手法で描かれる被写体は、画面を構成するひとつのオブジェでありながらも、特別な存在として輝きを与えられているかのようです。 植田のまなざしは、家族、山陰の風土や子どもたち、身の回りの何気ない風景や事物、そしてファッションなど、さまざまな被写体を単なる造形の対象としてのみ捉えていたわけではありません。そこに登場する「ひと」や「もの」は、造形的でありながら、どこか懐かしく、そして優しく、ユーモアと機知に溢れているのです。 写真集の2つのキーワード「ひと」と「もの」は被写体を単純に分類しているように思われますが、今回の展覧会を通して、それぞれの被写体に対して向けられた写真家の「まなざし」に共通する「変わらぬ何か」、「イメージの普遍性」を感じていただけることでしょう。 【主な出品作品】 農夫父娘(1935年) 群鳥(1952年) シリーズ〈風景の光景〉より(1970-80年) シリーズ〈小さい伝記〉より(1974-85年) 【関連企画/カフェ・トーク】 「Personal/Universe~ヨーロッパ写真家がとらえた私と普遍性~」 菊田樹子氏(インディペンデント・キュレーター) 日時:10月24日(日)14:00-15:30 会場:美術館内2階ロビー 定員:50名(申込要) 参加費:入館料+200円
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