STYLE 植田正治のファッション写真
概要
展覧会名 | STYLE 植田正治のファッション写真 |
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会期 | 2019年6月8日(土)― 9月1日(日) |
開館時間 | 午前9時から午後5時(入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 火曜日(祝日の場合は翌日) |
会場 | 植田正治写真美術館 〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3 tel.0859-39-8000 |
入館料 |
一般900円(800円) 高校・大学生500円(400円) 小・中学生300円(200円) |
主催 | 伯耆町/植田正治写真美術館 |
1983年3月、植田にとって、そして家族にとって、大切な存在を亡くしています。妻・紀枝さんです。病気療養中ではありましたが、植田も家族も、回復を確信していたため、その無念さは、植田が写真を撮れないほどであったそうです。そんな植田が再び写真を撮るきっかけとなったのは、ファッション・デザイナー菊池武夫氏のコレクション・カタログのための撮影でした。アート・ディレクターの仕事をしていた植田の次男・充氏は、依頼による仕事であれば、写真家としての覇気を取り戻してくれるのではないかと考えたそうです。菊池氏も、回想のなかで、友人であった充氏からの提案で、砂丘での撮影が実現したことを記しています。ファッション写真は、形態やデザインの個性を伝えるだけでなく、現代的な感覚を表現することが求められ、時代をうつしとるカメラマンの感性によるところが大きい分野といわれます。70歳を超えた写真家の挑戦は画期的であり、この分野で高い評価を得て、その後も多くのファッション写真の依頼を受けています。長年のアマチュア写真家人生のなかで培われたユニークな画面構成や造形感覚がファッション写真という分野で見事に花開いたのです。異空間で繰り広げられる新たな演出写真は、かけがえのない存在の喪失と、その悲しみを乗り越えて誕生したといえるでしょう。
今回の展示では、1983年から撮影された〈砂丘モード〉を中心に、1950年前後に撮影された砂丘での演出写真も紹介します。時を越えて写真家の内面に生き続けたスタイリッシュな植田の感性を再発見していただけることでしょう。
【主な出品作品】
・モデルとゲイジュツ寫眞家たち 1949年
・砂丘人物 1950年頃
・シリーズ〈砂丘モード〉より 1983-96年