【企画展】追憶のイメージ―『植田正治小旅行写真帖 音のない記憶』

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概要

展覧会名 追憶のイメージ―『植田正治小旅行写真帖 音のない記憶』
会期 2023年3月1日(水)―  6月11日(日)
開館時間 午前10時から午後5時(入館は閉館30分前まで)
休館日 火曜日(祝日の場合は翌日)ただし、5月2日は開館します
会場 植田正治写真美術館
〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
tel.0859-39-8000
入館料

一般1,000円(900円) 高校・大学生500円(400円) 小・中学生300円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金です
※障害のある方とその付き添いの方(1名まで)は半額となります
※いずれも証明できるものをご持参ください

主催 伯耆町/植田正治写真美術館

 二度のヨーロッパ旅行での作品をまとめた『植田正治小旅行写真帖 音のない記憶』は、1974年に出版されています。1972年、初めての海外旅行に出かけ山陰に似た光、空気を感じ、夢中でシャッターを切った、という話とは別に、この本の出版にあたっては、写真家のこだわりを雄弁に物語るエピソードがあります。最初の旅行から戻った植田は、すぐに写真集の制作を思い立ち、1973年6月の発行を前提に宣伝も準備されていきました。しかし、植田は、印刷の直前、出版を突然白紙にもどし、1973年11月、前年と同じ季節にヨーロッパを訪れています。この二回目の撮影の成果が加えられ、実際に写真集が出版されたのは1974年8月のことでした。なぜ出版直前まで進んでいた写真集を中断したのか、その明確な理由はわかりませんが、植田の生家には、中断前、つまり出版されなかった写真集の色校正(印刷前の最終段階のテストプリント)の一部や宣伝用のパンフレットの色校正が遺されていました。
 今回の展覧会は、写真集『音のない記憶』の収録イメージを紹介し、それぞれ一回目のものか二回目のものか、さらには撮影地など、可能な限り特定する初めての試みです。植田の遺したいわば「追憶のイメージ」の断片をたどりながら、この写真集のメランコリックであり、ノスタルジックな魅力を感じとっていただけることでしょう。砂丘でもなく、山陰でもない写真に、植田がどうしてこれほどまでにこだわったのか、植田正治による植田正治のための最初の写真集『音のない記憶』の検証を続けることによって、植田の傾けた情熱、さらには「写真すること」の意味を浮き彫りにします。

 

 


【主な出品作品】
・シリーズ〈音のない記憶〉より 1972-73年

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