No. |
対象物 |
状況など |
1 |
味 |
蛇口の水が普段と異なる味がする場合 |
2 |
生き物 |
生き物が出てきた! |
3 |
ヌルヌル |
容器に水を汲み置きすると容器がヌルヌルする |
4 |
発泡 |
泡が出る |
5 |
塩素 |
塩素は身体に良くないのではないですか? |
(5-1) 味 |
(原因と対策)
水道水は,無味無臭に近いものですが,蛇口の水が普段と異なる味がする場合は,工場排水,下水,薬品などの混入が考えられます。塩辛い味,苦い味,渋い味,酸味,甘味などを強く感じられた場合は,クロスコネクションのおそれがありますので,飲用を停止して,直ちに原因の調査をする必要があります。
鉄,銅,亜鉛などの金属を多く含むと,金気味,渋味となります。給水管にこれらの材質を使用しているときには,滞留時間が長くなる朝の使い始めの水に,金気味,渋味を感じることがあります。朝の使い始めの水は,なるべく雑用水など飲用以外の用途にお使い下さい。
(5-2) 生物 |
(原因)
水道水を器に受けてその中に生物が入っていれば,驚かれるのは当然です。実際には,生物が蛇口から出たのではなく,室内あるいは屋内から蛇口付近に運ばれたと推定される例が通常ほとんどです。しかし場合によっては,給水施設の異常に原因が求められる可能性もあります。
(対策)
原因の特定には,出現した生物及び水質の詳細な調査が必要です。特に,排水の混入が疑われるケースでは,原因がはっきりするまで飲用を停止することも必要になりますので,生物が出たという場合には迅速に対応することが肝心です。そのうえで,蛇口の周囲を清潔に保つ必要があります。
[参考事例]
(水道水中に生物が混入する原因)
・下水溝のそばの給水管が破損し,断水時に負圧となって下水中の生物を給水管の中に吸い込んだ例があります。
・受水槽と排水槽が隣接し,これらの仕切壁に亀裂などができ,受水槽に排水槽の生物が混入したことがあります。
・上水道の給水管と工業用水道管あるいは排水管とのクロスコネクションがあると,給水管内に工業用水や排水中の生物が入り込む場合があります。
・蛇口に取り付けたホースが排水槽中に達しており,断水時に負圧となったときホースを通って排水槽中の生物が入り込んだことがあります。
・受水槽の定期清掃を怠ったり,蓋の閉め忘れ,通気口の防虫ネットの破損などにより,ユスリカなどの虫が侵入し,この虫や産みつけられた卵から孵化した幼虫(赤ボウフラなど)が蛇口から出た例があります。
(5-3) 容器に水を汲み置きすると容器がヌルヌルする |
(原因)
容器中の水道水の残留塩素がなくなると,空気中の雑菌(細菌やかび)が水中に入り,容器の壁面に付着,繁殖して,ヌルヌルした状態となります。
(対策)
こまめに容器を洗い,水を汲み替えて下さい。
(5-4) 泡が出る |
(原因と対策)
水道水を勢いよく蛇口から流すと,周辺の空気が引き込まれ,泡立ちます。発泡した水道水をしばらく置くと泡が消える場合,これは空気によるものですから問題ありません。泡が消えない場合は,洗剤が容器に付着していることも考えられますので,容器を水でよくすすぎ,泡が消えることを確認してから使用することをお勧めします。
(5-5) 塩素は身体に良くないのでは? |
塩素は衛生上の必要から、水道水の消毒に用いられていますが、水道水中に含まれる塩素の量はごくわずかで、健康上の影響はありません。
残留塩素濃度は、WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドライン値(生涯にわたり水を飲んでも人の健康に影響が生じない濃度)では5mg/lとされており、水道法では、家庭の給水栓(蛇口など)で0.1mg/l以上保持されることとされています。