令和7年度一般会計予算の提出にあたり、町政の方針及び一般会計予算の大要を申し上げます。
「まちの誇りの回復」
「町民の底力で魅せる町づくり」
今を生きる町民の皆様のため、そして、町の未来のため、子ども達の未来のために、私の使命として進めてまいります。
第2代 森安町長の直近4年間は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止と重症化の予防に向けた取り組みを進める一方で、地域経済の経営支援や現金給付・ガソリン券の配布など、家計支援に配慮されてきました。そうした中でも、財政の健全化を進められ、着実で堅実な町政を進めて来られた、森安町長16年間のご尽力に心より敬意を表します。
その思いや実績を基盤として受け継ぎ、人づくりは、町づくり、町づくりは、未来づくり。人口減少の抑制を町づくりの成果指標とし、人口減少を抑える総合的な施策を実施し、町の誇りを次の世代につないでいきます。
そのために、私は、
1 安心の町 伯耆町 防災・子育て支援は、子宝町への投資
2 教育の町 伯耆町 子供たちへの投資は、未来への投資
3 誇りある町 伯耆町 魅力発信への投資で交流人口拡大
4 人が輝く町 伯耆町 子どもからシニア世代、町民の活躍に投資
の4本の柱、4つの投資で、伯耆町の未来を拓いていきます。伯耆町創生の4年間としていきます。
まずは、安心の町 伯耆町 防災・子育て支援は、子宝町への投資 です。
人間の幸福、言い換えれば人間の欲求の根源は、生理的欲求、つまり、生命維持のための根源的欲求が基盤といわれています。
昨年の元日、能登半島では一瞬のうちに多くの命が奪われました。哀悼の誠をささげるとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。世界有数の災害発生国日本、近年の風水害の頻発に対処しうる防災拠点の強化、備蓄品の強化が必要です。
併せて、災害時の生活で、一番不便を感じたのは、水の問題と言われています。上下水道施設の耐震化・長寿命化については、莫大な費用をともなう事業となります。老朽管の更新については、概ね事業完了していますが、国の動向や今後を見据えて、上下水道施設、送水管などの耐震化・長寿命化の長期計画の策定を着実に進めたいと思います。
少子化とその結果から生じる人口減少は、国全体の課題でもあります。消滅可能性自治体の指標である若年女性人口の減少を抑え、若者層が子供を産み育てたいと思える環境をつくっていかなければなりません。地域の活性化、魅力発信、雇用の創出、子育て支援策の充実が必要です。
子育て世代の意見に耳を傾け、子育て支援の充実に力を入れます。このためには、令和7年度から新たとなる「第3期伯耆町子ども・子育て支援事業計画」や、この作成で得た多くの知見を活かしていきたいと思います。
また、障害のある方、高齢者、生活困窮の方などの不安を取り除く、相談体制の充実、切れ目のない支援により、住み慣れたこの町で、自立して生きていけるようにするのが、安心の町伯耆町の施策です。
2番目は、教育の町 伯耆町 子供たちへの投資は、未来への投資 です。
今も昔も時代は変わっても、教育の原点は家庭です。家庭で礼儀や躾を学び、学校や保育所で、集団のかかわりや学力を高める。それを地域との交流により、後押ししていく。そして、中学生、高校生は、地域貢献活動に参加し、自分と社会との関わり、職業について学んでいく。これがふるさとキャリア教育です。
「社会の一員として自立して生きていく児童生徒の育成」「町全体で取り組む教育の推進」に、投資をしていきます。
また、中学校を中心に対象となっている少人数学級編制の実施、学力向上にも成果が出ています。引き続き実施していきます。
3番目は、誇りある町 伯耆町 魅力発信への投資で交流人口拡大 です。
企業版ふるさと納税を含め、ふるさと納税を拡充していきます。ふるさと納税業務を今後、業者への委託を検討し、職員の負担軽減と返礼品目の発掘を進め、財源確保や町の魅力発信、観光資源活用の一助になる事を期待しています。
「地方こそ成長の主役」 地方創生2.0の政策により、地方創成の交付金倍増が言われています。令和7年度当初予算では、植田正治写真美術館周辺の環境整備を行い、にぎわい創出を図るほか、国や県の政策・事業を積極的に活用し、農林畜産業の支援、生産性の向上を図ります。
4番目は、人が輝く町 伯耆町 子どもからシニア世代、町民の活躍に投資です。
新型コロナウィルス感染症の影響を受けた約4年、人口減少、高齢化が進み、地域の活力低下の傾向が多くの自治会で見られます。かつての活性化のリーダーが引退し、後継者の育成が急務となっていますが、社会情勢の変化により、地域のつながりを特には求めない人も増えています。
しかし、町づくりの原点は人づくりです。それぞれの地域が自主性をもって、知恵と情熱を生かし、人と人をつなぎ、地域づくりを自らが考え実践していく。それがまさに地域創生であり、伯耆町創生です。そこに投資していく。輝く人、輝く地域に投資をしていきたい。こうした人たちの声を聞くために、今後、ある程度まとめた範囲で集落に出向き、意欲のある高齢者、女性、若者、障害のある方のスタートアップ、畜産・林業を含めた就農支援、地元企業、商店の後継者育成・成長支援の伴走支援を強化していく必要があると考えています。
町民の皆様の一人一人に「伯耆町に住んでよかった」と心から思い語っていただけるように、町民の誇りを回復し、町民の底力で魅せる、魅了する町づくりを進めていくことが私の使命、天命であると肝に銘じております。
声を聴き、想いを集め、議論を通して現状を分析、決断・実行、職員を信頼し、町民の皆さまと共に進む政治、町の隅々まで光のあたる納得のいく政治を実現してまいります。
以上のような認識ではありますが、令和7年度当初予算においては、町長就任直後の予算編成ということや新規事業の予算化に時間を要するものが多々あることから、従前から計画していた事業や継続事業を主なものとしております。
今日、私の所信表明とした施策につきましては、6月以降の定例議会で色濃く反映した肉付け予算を順次お示しします。そして、国や県の施策・事業も最大限に活用し、併せて町独自の施策を講じながら、「教育の町」「安心の町」「誇りある町」「人が輝く町」の具現化を目指してまいります。
令和7年2月27日 伯耆町長 小澤 敦彦
(令和7年第1回伯耆町議会定例会)