(1)水の着色・・・水道水に色が着いている

No.

対象物や状況など

青い水が出る

青い底のプールの水が緑色に見える

白い水、白いお湯が出る(数秒間放置すると消える場合)

白い水が出る(放置しても白さが消えなかったり、沸騰すると白くなる場合)

赤い水や濁り水が出る

 

(1-1) 青い水が出る

 光が水に当たると、青い光が散乱され、赤い光が吸収されるため、海や湖は青く見えます。家庭でも、風呂などの大きな容器に水を貯めた場合に、これと同じ現象で青く見えることがあります。特に青の補色であるアイボリー系のカラー浴槽などに多い事例です。
 水に溶け出した銅により、水そのものが青く見えるためには、1リットル当たり約100mg以上の銅の溶出が必要です。実際には、このような高い濃度で銅が溶出することはなく、青い水が出ることはありません。

 

(1-2) 青い底のプールの水が緑色に見える

 水道水には、水道管に鉄を使用している関係で、微量の鉄分が含まれていることがあります。そしてプールの底が青い場合には、鉄分の黄色とプールの底の青色が重なって緑色に見えることがあります。また、シーズンオフに消毒用の塩素がなくなると、藻が繁殖して緑色になることもあります。

 

(1-3) 白い水、白いお湯が出る(数秒放置すると消える場合)

 容器に水を入れたときに、下のほうから透明になり白い濁りがなくなる場合には、原因は空気であり、安全性については心配ありません。
 蛇口から水道水を勢いよく出すと蛇口の内部が負圧となり、蛇口の上部から空気を吸い込むため、それが細かな気泡となります。これらの気泡は小さいため、水やお湯が白く濁って見えます。しかし、数秒後には徐々に下のほうから透明になってきます。
 また、給湯用の蛇口から出るお湯にも同様の現象がみられ、空気の吸い込みのほかに、水に溶けている空気の放出が考えられます。
 つまり、湯沸し器の中で水が急激に加熱されると、水中に溶け込んでいる空気が溶けていることができなくなり気泡となります。これらの気泡は小さいため、水やお湯が白く濁って見えます。しかし、数秒後には徐々に下の方から透明になっていきます。
 浄水場や給水所のポンプが何らかの原因で空気を吸い込んだ場合にも、白い水が発生するときがありますが、このような場合は広い配水系統に白い濁りが発生します。空気ですから、コップに入れて置いておけば、、徐々に下のほうから透明になっていきます。

 

(1-4) 白い水が出る(放置しても白さが消えなかったり、沸騰すると白くなる場合)

a)原因が亜鉛の場合

(原因)
 給水管に亜鉛めっき鋼管を使用していると、亜鉛が溶け出して白い水が出たり、又は沸かすと白くなったりすることがあります。
 この現象は、給水管内に水が溜まっている時間が長いほど発生しやすく、朝の使い始めによく見られます。
(対策)
 朝の使い始めに給水管に滞留した水を排水し,他の用途に利用して下さい。また,亜鉛の溶出が進行すると,鋼管が露出して錆による赤水が発生しやすくなります。したがって,お客様に給水管を他の種類の管に布設替えすることをお勧めしなければならない場合があります。
(安全性)

 亜鉛は人体にとって必須元素で,食品などから1日に10~15mgを摂取しなければならないとされる成分です。肉類,豆類,カキ(貝)に多量に含まれており,酵素を活性化させるのに必要です。亜鉛の水質基準値は1.0mg/lとなっていますが,亜鉛が1.0mg/lを超えて含まれていると,水が白く着色して見え,味が悪くなることに基づいています。しかし,必要な量以上をとったときは,体外に排出されてしまいますので,直ちに有害ということではありません。

 

b)原因が防錆剤の場合

(原因)
 ビルやマンションなどでは,赤水対策として給水系統配管の布設替えなどが行われるまでの応急対策として,防錆剤を添加する場合があります。
 この防錆剤注入機の故障などが原因で,受水槽以下の水に多量の防錆剤が混入した場合,その水を沸かすと白くなることがあります。
(対策)
 防錆剤注入機の修理がすむまでは,飲用できません。
 防錆剤が過剰注入された場合,濃度が原液に近いものであると,のど,胃などに焼けるような感じがあり,嘔吐,下痢を催すことがあります。もし,防錆剤の原液を誤って飲んだ場合には,直ちに口・のどを水で洗い,コップ2杯の牛乳・卵白又は水を飲ませ(このとき,吐かせてはいけません。),その後直ちに医師の手当てを受けて下さい。

 

(1-5) 赤水や濁水が出る

 (原因)
 このような現象は,近くで水道工事があったとき又は火災などで消火栓から多量の放水が行われたときなど一時的に付近配管内部の錆や汚れが出てくる場合があります。
 それ以外の場合でも給水管に亜鉛めっき鋼管が使用されているとき又は継手などの一部に鋼製の材料が使用されているとき,硬質塩化ビニルライニング鋼管布設時の加工に不備があるときなどに起こります。
 それは,露出した鉄面が空気中で錆びるのと同様に水中でも徐々に錆び,この錆が水の使い始めに赤水となって出てくるためです。朝の使い始めに赤水が発生し,1分間以内に収まるときは,ほぼ給水管に起因すると考えられます。
 隣家で同様な現象があり,かつ連合栓でないときは,配水管が原因と考えられます。また,隣家で同様な現象がないときは,給水管起因と考えられます。
 (対策)
 赤水が出るときは,しばらく流してから使用することをお勧めします。このとき放流した水は,掃除や植木,庭のまき水など飲用以外に利用して下さい。
 給水管を交換しない間は,コップに水を取って明らかに赤いときは,飲用を避けるようにして下さい。
 (安全性)

 鉄は人体にとって必須元素で,レバーなどに多く含まれ,血液中のヘモグロビンの合成に必要です。厚生労働省では,国民の心身を健全に発達させ,健康の保持増進と疾病予防のために標準となる栄養の摂取量を年齢,男女別の栄養所要量として5年ごとに発表しています。現在,「第6次改訂日本人の栄養所要量」が適用され,成人男子は1日10mg,成人女子は1日10~12mg(妊娠授乳期は18~20mg) です。
水質基準は0.3mg/lとなっていますが,鉄が0.3mg/lを超えて含まれていると,水が赤く着色して見え,味が悪くなるので,容易に気づきます。

 また,鉄による少量の赤水を誤って飲んでしまったとしても,鉄は人体への吸収率が低く,大部分が排出されてしまいますので,直ちに有害ということはなく,特に心配ということはありません。ただし,多量の赤水あるいは鉄の濃度が異常に高い赤水を飲用した場合は,嘔吐や下痢を催すことがありますので,幼児には注意が必要です。

地域整備課・上下水道室
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