(2)物の着色・・・水道水に触れるものに色がつく

物に着色する場合

 
 

No.

対象物や状況など

タオル、容器、タイルなどが青くなる

アルミ製の鍋ややかんが黒くなる

魔法ビンの内面が黒色になる

水切りかご、風呂のタイルなどが黒色になる

ほ乳びんの乳首が黒色になる

ふきんが紫色になる

お茶の飲み残しが紫色になる

桃色

浴室のタイル、便器の内側などが桃色になる

 

(2-1) タオル、容器、タイルなどが青くなるとき

(原因)
 容器やタオルなどに付着した銅イオンは,石けんや湯あかに含まれる脂肪酸と反応すると,水に溶けない青色をした銅石けんを作ります。これが容器,タオルなどを青く染める原因です。銅は,湯沸器,給湯管や一部の給水管に使われていて,銅の内面が新しいときに溶け出しやすく,水を長期間通すことによって酸化銅の被膜が形成されると,溶けにくくなります。酸化銅の被膜は,一般的に数週間から数か月で形成されますが,遊離炭酸の高い水では形成されにくいこともあります。また,湯沸器などでは,水温が高く,滞留している間に銅が水に溶けやすくなっています。
 (対策)
 容器やタオルなどを青く染めないためには,石けんや湯あかが残らないようにこまめに手入れをすることが大切です。
 <タオル>
  酢を10倍に薄めたものを70~80度に温め,タオルを浸すと数秒で脱色するので,その後きれいな水で十分にすすいで下さい。ただし,この方法を繰り返すとタオルが黄ばむこともあるので,こうなったタオルは漂白剤で漂白するとよいでしょう。
 <容器,タイル>
 市販のアルカリ性洗剤を少量滴下してから,スポンジ等でよくこすり,食酢で中和して洗い流して下さい。
 (安全性)
 銅は人体にとって必須元素で,食物などから1日に2~5mgを摂取しなければならないとされる成分です。厚生労働省の「第6次改訂日本人の栄養所要量」には,成人の所要量が1.4~1.8mg、許容上限摂取量が9mgとされています。貝類,豆類,レバーに含まれています。赤血球の形成,細胞の鉄の代謝,骨,中枢神経,伝達細胞の成長の代謝などに必要です。
 銅の水質基準の値は1.0mg/l以下となっていますが,銅が1.0mg/lを超えて含まれていると,水の味を悪くしたり,布類,タイル類を青くします。銅管からの銅の溶出については,水質と深い関係があります。例えば,pH値が著しく低い場合,遊離残留塩素が高い場合,水温が高い場合,溶存二酸化炭素の濃度が高い場合などは,銅の溶出量が多くなると言われています。いずれの場合も,銅の溶出量は水質基準値の1.0mg/lを大きく超えることはありません。
 なお,銅が溶出して水が青く見えるのは100mg/l以上です。銅が酸化されるとできる緑青(銅の錆)は,昔は毒性が高いと言われていましたが,これは銅の精錬技術が未熟で,銅の中に有毒なヒ素が不純物として含まれていたためです。
 

(2-2) アルミ製の鍋ややかんが黒くなるとき

(原因)
 アルミニウム製の鍋ややかんの内部が黒くなることをアルミニウムの黒変化現象といいます。アルミニウムと水中の酸素がアルミニウムの表面で酸化反応を起こし,水酸化アルミニウムの被膜を生成することが第一の原因です。第二にこの水酸化アルミニウムと水の中に溶けている物質が複雑な反応をしてアルミニウムの表面に固着し,黒変化を引き起こします。水酸化アルミニウムに作用する物質としては,給湯管から微量に溶けだす銅,卵殻やコンニャクに含まれるカルシウムなどが原因物質としてあげられます。アルミニウム製の鍋ややかんでアルマイト加工をされた製品は黒変化が起こりませんが,ナイロンたわしなどによる洗浄や煮沸の繰り返しによりアルマイト被膜がなくなっていることがあります。黒色化被膜は無害で使用には差し支えありません。
 (対策)
 アルミニウム製の鍋ややかんは,空炊きしたり,水道水をつぎ足しながら使用しないで下さい。また,中には水や食物を長時間入れたまま放置しないようにして,使用後はよく洗い,水気を拭き取り,乾燥させて下さい。
 なお,黒くなった部分はクレンザーやスチールたわしできれいに除けます。ただ,そのままにしておくとすぐ黒変化しますので,米のとぎ汁を入れて10~15分ほど煮沸します。そうするとアルマイトに類似した被膜ができて,黒変化が起こりにくくなります。
(安全性)
 水酸化アルミニウムは医薬品(制酸剤)にも用いられている物質です。

 

(2-3) 魔法ビンの内面が黒色になるとき

(原因)
 耐熱ガラス製品やガラス製の魔法びんに湯沸器などのお湯を入れると,内面が黒色になることがあります。これは,湯沸器などに使用されている銅管から溶け出した銅が酸化され,魔法びんの内面に徐々に付着し,黒色に見えるようになったものです。
(対策)
 湯沸器の水は水温が高く,滞留している水に銅などが溶け出している場合がありますので,飲用以外の用途でお使い下さい。飲用には,直結の水道水をやかんで沸かしてから,お使い下さい。
(安全性)
 銅は人体にとって必須元素で,食物などから1日に2~5mgを摂取しなければならないとされる成分です。厚生労働省の「第6次改訂日本人の栄養所要量」には,成人の所要量が1.4~1.8mg、許容上限摂取量が9mgとされています。貝類,豆類,レバーに含まれています。赤血球の形成,細胞の鉄の代謝,骨,中枢神経,伝達細胞の成長の代謝などに必要です。
 銅の水質基準の値は1.0mg/l以下となっていますが,銅が1.0mg/lを超えて含まれていると,水の味を悪くしたり,布類,タイル類を青くします。銅管からの銅の溶出については,水質と深い関係があります。例えば,pH値が著しく低い場合,遊離残留塩素が高い場合,水温が高い場合,溶存二酸化炭素の濃度が高い場合などは,銅の溶出量が多くなると言われています。いずれの場合も,銅の溶出量は水質基準値の1.0mg/lを大きく超えることはありません。
 なお,銅が溶出して水が青く見えるのは100mg/l以上です。銅が酸化されるとできる緑青(銅の錆)は,昔は毒性が高いと言われていましたが,これは銅の精錬技術が未熟で,銅の中に有毒なヒ素が不純物として含まれていたためです。

 

(2-4) 水切りかご、風呂のタイルが黒色になるとき

(原因)
水切りカゴや浴室などは乾燥しにくく,水滴が残りがちです。こうした所に空気中の細菌やかびなどが付着して繁殖し,黒色の付着物となることがあります。
(対策)
 洗剤でよく洗い,取れないときは漂白剤を使用して下さい。こうした現象が頻繁に起きる容器や浴室は,洗ったあと,通気をよくして十分乾燥するとともに,日常の手入れをこまめにすることをお勧めします。
 ただし,漂白剤の使用については,浄化槽を設置しているところでは注意が必要です。濃度の高い漂白剤,あるいは濃度は低くても多量の漂白剤が浄化槽に流入すると,中にいる浄化機能をもった微生物を死滅させ,浄化槽の機能を損なうおそれがあります。

 

(2-5) ほ乳びんの乳首が黒色になるとき

(原因)
 給水管に使用している銅管,又は湯沸器に使用している銅管から,水道水中にごくわずかの銅が溶け出します。その銅と乳首のゴム中の硫黄分とが反応して黒色の硫化銅ができるといわれています。
 また,空気中の細菌やかびによる場合も考えられます。
(対策)
 細菌やかびの繁殖によることもあるので,水に乳首を入れて約5分間煮沸消毒した後,よく洗って下さい。それでも取れないときは,ゴムの変色と考えられますので,そのまま使用しても差し支えないと思われます。しかし,乳児のことですので,気になる方は新しい乳首を使用した方がよいと思います。

 

(2-6) ふきんが紫色になるとき

 (原因)
 空気中には多くの雑菌(細菌やかび)がいます。湿気を帯びたふきんは,雑菌が繁殖しやすくなっています。ふきんが紫色になるのは,大気中の雑菌が付着し繁殖したためです。
 なお,高温多湿の場所や,梅雨の季節では,特に雑菌が繁殖しやすく,この現象がよくみられます。
 (対策)
 雑菌で着色されたふきんは,そのまま使用せず台所用漂白剤などで漂白し,よく洗ってから使用して下さい。また,使用後のふきんは,よく乾燥することをお勧めします。

 

(2-7) お茶の飲み残しが紫色になるとき

 (原因)
 水道管に鉄を使用している関係で,微量の鉄分が水道水に含まれていることがあります。湯のみにお茶の飲み残しをいれたままで鉄分を含む水道水を入れたり,長い間水道水にお茶を入れておくと紫色に着色することがあります。お茶,コーヒー,紅茶などの成分の一つであるタンニンと,水道水に含まれていた鉄が反応して,紫色のタンニン鉄ができます。このタンニン鉄が着色の原因です。
 また,空気中の雑菌(細菌やかび)が,お茶の飲み残しに繁殖することもあります。
 (対策)
 タンニン鉄は有害ではありませんが,空気中の雑菌が繁殖している可能性もありますので,紫色になったお茶は飲まないで下さい。また,お茶の飲み残しが残っていた湯のみはよく洗ってから使用して下さい。

 

(2-8) 浴室のタイル,便器の内側などが桃色になるとき

 (原因)
 室のタイル,流し口,便器の内側などは水が溜りやすく,また石けんカス,湯あか,汚物などで汚れやすいため,空気中の雑菌(細菌やかび)が付着し,繁殖しやすくなっています。これらの雑菌の中には繁殖に伴って桃色,黄色,燈色など,特定の色素を作るものがあるため,条件によってはこうした場所がくすんだ薄桃色からあざやかな桃色まで,様々に着色することがあります。
 (対策)
 まず,着色した部分を水でよく洗って下さい。水洗いでは,見た目にきれいに見えても,雑菌の一部が生き残り,再び繁殖して同じ現象が起きることがあります。熱湯あるいは市販の漂白剤で洗えば,再び雑菌が繁殖するのを防ぐことができます。
 ただし,漂白剤の使用については,浄化槽を設置しているところでは注意が必要です。濃度の高い漂白剤,あるいは濃度は低くても多量の漂白剤が浄化槽に流入すると,中にいる浄化機能をもった微生物を死滅させ,浄化槽の機能を損なうおそれがあります。
 また,空気中の雑菌は温度や湿度など条件さえそろえば繁殖するので,浴槽やトイレの換気をよくして湿気を減らすとともに,日常の手入れをこまめに行うことをお勧めします。
 [参考]
 現在,赤色や桃色の色素を産出するものとして,霊菌,酵母類,メチロバクテリウムなどが確認されています。これらは病原菌ではありませんが,空気中に多数存在しています。また,同じ場所にその他の雑菌も繁殖している可能性がありますので,よく洗い落し,十分乾燥して下さい。
 

地域整備課・上下水道室
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