生活保護とは、どうしても自分の力で解決しようとしてもできなかった生活に困っている方に、国が、その程度に応じて、生活費(生活保護費)を支給するとともに、自分たちの力で生活できるよう手助けするものです。この制度は、生活保護法(以下、「法」という。)に基づいて行われ、これらの費用は、すべて税金でまかなわれています。
生活保護は世帯単位を原則としており、あなたの世帯のすべての人が生活をささえるためにあらゆる努力をし、それでもなお生活ができないとき、保護基準額に不足する分を扶助(※)するものです。生活保護を受けるには、次のような条件があります。活用できるものがあるときは、活用していただくことになります。 (※)扶助とは…(経済的に)力添えをして助けること。援助。
・利用できる資産があれば、売却などの方法により活用してください。(例:不動産・預貯金・生命保険・自動車・貴金属等)
・世帯の中で病気等がなく働ける能力のある方は、働いてください。
・夫婦、親子、兄弟姉妹、または親せきからは、できる限りの援助をお願いしてください。
・他の法律や制度による給付等を活用してください。(雇用保険・健康保険・各種年金・児童扶養手当・高齢福祉・身体障がい者福祉等の手当金、 給付金など)
家族数や年齢など世帯状況に応じ国が定めている最低生活費(保護の基準額)と、世帯全体の収入を比べて足りない分を生活保護費として支給します。
※「収入」とは、働いて得た収入、恩給、年金、手当、仕送り、財産収入、預貯金、保険、不動産売却収入等、世帯のすべての収入を含みます。
例1 収入が全くないとき
最低生活費 |
これだけの扶助が受けられます |
例2 公的年金や仕送りなどの収入があるとき
最低生活費 |
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公的年金や仕送りなどの 収入 |
これだけの扶助が受けられます |
例3 働いて得た収入があるとき
最低生活費 |
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働いて得た収入 |
控除 |
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これだけの扶助が受けられます |
生活保護には、次のような扶助費があり、世帯の生活の必要に応じて受けることができます。
■生活扶助:食べるもの、着るもの、光熱水費などの日常の暮らしの費用
■住宅扶助:家賃、地代などの住宅の費用
■教育扶助:学用品、給食費など義務教育に必要な費用
■医療扶助:ケガや病気の治療をするための費用
■出産扶助:お産をするための費用
■介護扶助:介護サービスを受けるための費用
■生業扶助:仕事につくための費用、技能や技術を身につけるための費用、高等学校就学のための費用
■葬祭扶助:葬式に必要な費用(生活保護を受けている方が喪主となり、葬式を行う場合に限る)
※このほかに、一時的に必要なものとして被服費や転居費用が支給される場合もあります。それぞれ条件がありますので、事前に福祉課(福祉事務所)に相談してください。
保護を受けようとする本人、家族または同居の親族が申請してください。この申請に基づいて、世帯の状況、収入や資産、親戚等の援助その他法律による援護対策などの有無を調査して決定します。
※ 先ずは、福祉課(福祉事務所)までご相談においで下さい。どうしても来れない場合は、お電話で相談をいただけれ ば、日程調整のうえ、訪問相談いたします。
原則として、毎月決められた日(原則5日)に、1か月分の保護費が金銭で支給されますが、介護費や医療費については、町が、直接、介護機関や医療機関に支払います。
なお、病院受診の際は、福祉課(福祉事務所)で発行した書類を医療機関に提出してください。(今まで国民健康保険証、後期高齢者医療保険証を利用していた方は、使用できなくなりますので、返却していただきます。)
■届け出の義務(法第61条)
あなたの申し出をもとにして保護の程度を決めますので、収入、支出、その他生活状況に変動があったとき、住まいや家族構成について変わったことがあったときなどは、すぐに福祉課(福祉事務所)に届け出ていただきます。
■指導・指示に従う義務(法第62条)
あなたの生活状況に応じて、適切な保護をするために、福祉課(福祉事務所)が指導・指示をすることがあります。 指導・指示に従わない場合は、保護を受けられなくなることがあります。
■生活向上の義務(法第60条)
働ける人は能力に応じて働き、計画的なくらしをするなど、生活の維持、向上に努力しなければなりません。
■譲渡禁止(法第59条)
保護を受ける権利を他人にゆずりわたすことはできません。
活用できる資産があるにもかかわらず保護を受けた場合は、すでに支給された保護費を返還しなければならないことがあります。(法第63条)
また、事実と違う申請や不正な手段によりで保護を受けたりした場合は、支給した保護費を徴収され、処罰されることがあります。(法第78条、法第85条)